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MPGN・C3腎症の
検査と診断
このページでは「膜性増殖性糸球体腎炎(まくせい・ぞうしょくせい・しきゅうたい・じんえん:MPGN)やその一部であり新しい分類であるC3腎症(じんしょう)かもしれない患者さんは、病気の診断(しんだん)のためにどのような検査を受けるのか」について解説します。
尿検査(にょうけんさ)

尿検査では、次のような異常がないかをたしかめます。
- 尿に大量のタンパクがもれていないかどうか(この症状をタンパク尿といいます)
→検査結果を見るときは、次の項目と値をたしかめましょう。検査項目 正常な値(基準値) 異常をうたがうサイン 尿タンパク(定性) 陰性(-)1) 陽性(+) →(+)では再検査を受けます1) →(2+)以上ではくわしい検査を受けます1) 尿タンパク(uPCR) 0.15 g/gCr 未満2) 基準値より高い2) - 尿に血液がまざっていないかどうか(この症状を血尿といいます)
- 変形赤血球(へんけいせっけきゅう)という炎症が起きている糸球体を通ったときにきずついてこわれた赤血球があるかどうか
- 円柱(えんちゅう)というタンパク質のかたまりがあるかどうか

学校での尿検査の大切さ
日本では、学校や職場での尿検査(検診)の結果がきっかけとなってMPGN(C3腎症を含む)(以下、MPGN・C3腎症と略します)の早期発見につながるケースも見られます。
特に学校での尿検査が行われるようになったことで、小児患者さんを初期段階で見つけられるようになっています3)。
血液検査(けつえきけんさ)
血液検査では、次のような数値に異常がないかどうかをたしかめます。
腎機能に関する数値
- eGFR(イー・ジー・エフ・アール)が下がっていないかどうか。
- 血清(けっせい)クレアチニン値(血清Cr値とも書きます)が上がっていないかどうか。
→検査結果を見るときは、以下の項目と値をたしかめましょう。検査項目 正常な値(基準値) 異常をうたがうサイン eGFR 90以上(正常のなかでも高い値)4) 59以下2) 89~60(正常のなかでは低い値)4) 血清Cr値 男性:1.00mg/dL以下1) 基準値より高い1) 女性:0.70mg/dL以下1)

それぞれどんな意味の数値なの?
- eGFRは、血清クレアチニン値と年齢と性別から計算して出される、腎臓のはたらきがどのくらい下がっているかの基準となる数値です。
- 血清Cr値は、筋肉を使ったあとに出る老廃物(ろうはいぶつ)であるクレアチニンが、どのくらい尿として出されずに血液の中に残っているかを示した数値です。
タンパク質に関する数値
尿にタンパク質がもれる(タンパク尿の症状が出る)ことで、血液中のタンパク質が減っていないかどうかをたしかめます。
免疫(めんえき)に関する数値
MPGN・C3腎症は、体をウイルスや細菌のような抗原(こうげん)から体を守るためのしくみである免疫と深くかかわっている病気です。
体を守るために、抗体(こうたい)や補体(ほたい)といったタンパク質がはたらいています。
抗体は敵である抗原をつかまえる役割をしていて、補体は抗体をサポートする役割をしています。
この抗体や補体が、病気の影響によって血液中で少なくなっていないかどうかを確認します。
他の病気に関する数値
MPGN・C3腎症と診断するためには、他の病気との鑑別(かんべつ:見分けること)が重要です。
他の病気がかくれていないか、血液検査の結果から判断します。
腎生検(じんせいけん)
腎生検とは?
MPGN・C3腎症の確定診断(かくていしんだん:病気の名前をきめること)のために、腎生検という検査を行います。
腎生検とは腎臓に針をさして一部をぬきとり、顕微鏡(けんびきょう)でくわしく調べることで病気の原因をつきとめる検査のことです。

腎生検はどんな検査なの?
- 腎生検は多くの場合、超音波(ちょうおんぱ)を使って腎臓の位置をたしかめながら針をさすやり方4)で行います。
- 腎生検では、麻酔(ますい)を使います。そのため針をさすときに痛みはありませんが、背中をおされているような感じがあります。ただし、麻酔注射を打つときは痛みを感じる可能性があります4)。
- 検査は30分4)ほどで完了します。
- 日本では3泊4日~5泊6日の入院をして腎生検を行う医療機関が多い4)です。 検査後はベッドで安静にしてすごします。
腎生検での検査
腎生検でとり出した腎臓の一部を、顕微鏡を用いてくわしく調べます。
腎生検でわかること

- 糸球体にくっついているものが何なのか。
- 糸球体に免疫複合体(めんえきふくごうたい)が補体よりも多くくっついている場合は、免疫複合体型MPGN(IC-MPGN)と診断されます。免疫複合体とは、体を守るためにはたらく抗体が、細菌やウイルスなどの抗原とくっついたもののことです。
- 糸球体に補体(ほたい)の一種であるC3だけがくっついている(もしくは他にくっついているものもあるがC3が大量にくっついている)場合は、C3腎症と診断されます。
- IC-MPGNやC3腎症になったことで糸球体の見た目に変化が起きていないかどうか。
- 免疫複合体や補体が糸球体のどのあたりについているのか。
画像診断(がぞうしんだん)
超音波検査やCT検査などで腎臓のようすを画像にし、次のことをたしかめます。
- 腎臓の大きさや形がどうなっているか
- 他にうたがわしい病気がないか など
- 日本人間ドック・予防医療学会「判定区分(2026年4月1日改定)」(https://www.ningen-dock.jp/ningendock/wp-content/uploads/2025/12/f5777368d3f9f1c60802063246d4c6ea.pdf)(最終閲覧日:2026年6月30日)
- 日本腎臓学会編『CKD診療ガイド2024』(東京医学社)p.6、8
- 長谷川理、本田雅敬、池田昌弘:小児期MPGN type-1の過去30年間における臨床像の変化(日本腎臓学会誌 47:107-112、2005)
- 日本腎臓学会 腎生検ガイドブック改訂委員会編『腎生検ガイドブック2020』(東京医学社)p.25、28、32
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MPGN・C3腎症の薬物療法
監修医師
水野 正司 先生
名古屋大学大学院医学系研究科 腎不全システム治療学寄附講座 特任教授